借入金の適正な水準とは?~判断基準と注意点~

こんにちは。広島県福山市を中心に活動する中小企業診断士の児山です。中小企業の経営者の皆さまが日々直面する課題の一つ、それが「借入金」についてです。経営を進める上で資金は必要不可欠ですが、その一方で借入金が多すぎると経営は重荷になります。今回は、借入金の適正な水準について詳しくご説明いたします。

1. 借入金とは

借入金とは、企業が事業を運営するために必要な資金を調達する手段の一つです。一般的に、企業は銀行などの金融機関から借り入れを行い、その際に発生する負債を借入金と言います。

借入金の目的は大きく分けて二つあります。一つは事業資金としての借入金、もう一つは設備投資や事業拡大など長期的な投資のための借入金です。どちらの目的で借り入れを行うにせよ、借入金の適正な管理は企業経営における重要な要素となります。

2. 借入金の適正な水準の判断基準

では、借入金の適正な水準とは何でしょうか?借入金の適正な水準を判断するための基準は、以下の3つを考慮すると良いでしょう。

  1. 利益と借入金のバランス:企業の利益に対する借入金のバランスを考慮することが重要です。利益が高い企業はそれだけ返済能力があると言えますので、多少借入金が多くても問題ありません。しかし、利益が少ない企業が多額の借入金を抱えると、返済に苦しむ可能性があります。

  2. 借入金の返済能力:借入金の返済能力は、企業の健全性を示す指標となります。具体的には、「債務償還能力」を計算し、それが適正な範囲にあるかを確認します。債務償還能力は、経常利益+減価償却費と借入金の比率(債務償還倍率)で判断します。

  3. 事業規模と借入金の比率:事業規模と借入金の比率も重要な判断基準となります。大企業はその規模に見合った借入金が必要ですが、中小企業では少ない借入金で事業を回すことが求められます。

3. 借入金の適正な水準の計算方法

では、具体的に借入金の適正な水準はどのように計算するのでしょうか?その方法は、借入金の総額から見た適正な水準と、利益から見た適正な水準の2つの観点から考えることができます。

  1. 借入金の総額から見た適正な水準:企業の資産総額に対する借入金の比率を計算します。一般的に、この比率が60%を超えると財務が危険な状態とされ、40%以下なら安全とされます。

  2. 利益から見た適正な水準:借入金を返済するための利益(純利益)に対する借入金の比率を計算します。この比率が高いほど、返済負担が大きいと言えます。一般的に、この比率が5倍を超えると財務が危険な状態とされます。

4. 適正な水準を超えた場合の対策

では、借入金が適正な水準を超えてしまった場合、どのような対策が必要でしょうか?まずは、財務改善のためのステップを踏むことが重要です。それには、無駄な経費の削減、効率的な事業運営、利益向上策の検討などがあります。

また、借入金の返済計画を見直すことも大切です。返済期間の延長や利率の見直し、借り換えなどを検討することで、返済負担を軽減することが可能です。

5. 借入金の適正な水準の重要性

最後に、借入金の適正な水準がなぜ重要なのか、その理由について触れておきましょう。借入金が適正な水準に保たれていることは、企業の財務健全性を示す重要な指標です。それは、企業が持続的に利益を上げ、成長していくための基盤となるからです。

借入金が適正な水準を超えてしまうと、返済の負担が増大し、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。その結果、経営の安定性が損なわれ、企業の存続が危ぶまれることもあります。

以上、借入金の適正な水準について解説しました。適切な借入金の管理は、経営の安定と持続的な成長を実現するために必要不可欠です。中小企業経営者の皆様にとって、参考になれば幸いです。今後とも、福山市で活動する中小企業診断士の児山として、皆様の経営を全力でサポートしてまいります。

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