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ものづくり補助金は金属加工業で使える?【2025年】
製造業を中心に高い人気を誇る「ものづくり補助金」。中小企業が行う新商品開発や生産性の向上に要する設備投資を補助してもらえる中小企業庁の制度です。2024年3月の18次公募から公募が止まっていましたが、2025年の春頃から公募が再開される予定となっています。
多様な業種が活用できる補助金ですが、採択者の大半は「製造業」です。今回は、製造業のなかでも「金属加工業」について、ものづくり補助金を活用できるのか?という観点で解説していきます。
金属加工業は”ものづくり補助金”の大本命
結論から言いますと、「金属加工業」はものづくり補助金に最も向いている業種です。日本が世界に誇る自動車産業やロボット産業、各種機械を構成する要素として、「金属加工製品」は欠かせません。そのため、過去のものづくり補助金でも金属加工業は多くの企業を輩出してきました。
この傾向は今後も変わる可能性は低いでしょう。昨今では半導体市場が好況ですが、自動車やロボットなどは日本の基幹産業であることには変わりません。事業再構築補助金ではサプライチェーンの国内回帰を促すなど、国内の生産力を再度高めていこうという国の方向性も読み取れるため、金属加工業であることがものづくり補助金でマイナスに作用されることはないでしょう。
では、金属加工業がものづくり補助金で設備導入する場合、どのような設備が補助対象になるのでしょうか?
ものづくり補助金で金属加工業が導入できる設備
ものづくり補助金で金属加工業が導入できる設備は多岐に渡ります。製造プロセスにおいても、設計段階・加工段階・検査段階など、多様な工程で使用する設備が対象となり、選択肢は非常に幅広いです。
具体的には、次のような設備が補助対象になります。
①設計段階の設備
設計段階で導入される設備として挙げられるのが「CAD/CAM」です。CAD/CAMとは、「コンピュータ上での設計や製図」「工作機械を動かすために必要なNCデータの作成」という2つの機能を持つソフトウェアです。
ものづくり補助金の補助対象経費においては、「機械装置・システム構築費」としてソフトウェアが補助対象になります。なお、ソフトウェアを導入する際は、購入するパターンと月額利用のパターンがありますが、ものづくり補助金を活用する場合は、「購入」するようにしましょう。
ものづくり補助金での補助対象は、事業実施期間(通常10カ月)内に支払った経費に限られますので、月額サービスだと補助対象経費がとても少額になってしまいます。せっかく採択を勝ち取っても、少額になるともったいないので購入がオススメです。
②加工段階の設備
金属加工機械は多岐に渡りますが、その多くが補助対象となります。具体的には、次のような設備の導入事例が多いです。
■CNC旋盤
高精度な円筒形部品の加工に用いられ、幅広い業界で活用されています。
■マシニングセンタ
多様な形状の部品を加工できる汎用性の高い工作機械です。
■複合加工機
旋削、フライス加工などを1つの機械でこなせるため、生産効率の向上に貢献します。
■ワイヤーカット放電加工機
複雑な形状の部品を高精度に加工できます。
■プレス機
板金加工に不可欠な機械で、自動車部品などの大量生産に用いられます。
■レーザー加工機
金属や非金属の切断、彫刻など、様々な加工に対応可能です。
■放電加工機
導電性の材料の微細加工に用いられます。
■研削盤
表面を平滑にする加工に用いられます。
なお、補助対象となる設備自体は多いですが、補助金は自社と他の応募者との勝負の場です。他社の事業計画よりも優位性があることを表現することが必要となります。そのため、導入する設備自体についても、先進性や優位性が高い方が採択を勝ち取る可能性は高まります。
例えば、ものづくり補助金では汎用旋盤も補助対象となりますが、「採択を勝ち取れるか?」という観点では、「アピールが弱く、先進性がない設備」と評価されてしまいます。たとえ自社に必要な設備であっても、「審査」という観点では不利になることもあります。
そのため、理想は「自社の新たな取り組みに欠かせない」「最新の機能を持っている」「他社があまり保有していない」という3点を抑えることです。このような設備ですと、採択の可能性がグッと高くなるでしょう。
③検査段階の設備
検査段階においても、対象となる設備は多く存在します。検査の自動化や高精度化は生産性向上や品質向上につながり、検査工程の生産性を大きく高めます。具体的には、次のような設備が導入されることが多いです。
・測定顕微鏡 ・デジタルマイクロスコープ
・三次元測定機 ・3Dスキャナ
・粗さ計、輪郭形状測定機 ・レーザマイクロスコープ
まとめ
いかがでしたか?ものづくり補助金において金属加工業は「一丁目一番地」といっても過言ではない業種です。さらに、導入する設備も先進性が高いものが多く、審査の面でも有利になりやすいという特長があります。とはいえ、補助金獲得で最も大事なのは事業計画です。導入設備が決まりましたら、早めにコンサルタントの力を借りることで採択の可能性は大きく高めましょう!
広島県福山市に本社を置く弊社では、ものづくり補助金の申請サポート(行政書士と連携した申請代行も)を行っており、オンラインでも全国対応しております。
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中小企業診断士。1983年 広島県福山市生まれ。2009年から中小企業団体中央会に入職して中小企業支援の道に入り、ものづくり補助金の事務局も経験。2023年に補助金支援とや経営改善を行う”つなぐサポート合同会社”の代表に就任。補助金採択は100件・10億円・採択率80%を越える。事務局経験を活かした事業計画策定・手続きの一貫サポートが強み。趣味はランニング。