ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠とは?

ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠とは?

 新商品開発・新サービス開発や生産性を高めるための設備投資に活用できる「ものづくり補助金」。10年以上続く人気の制度であり、製造業を中心に多くの企業に利用されています。

 国の補正予算で編成されるため、毎年微妙に形を変えていますが、2024年(令和6年)に登場した枠の中に、省力化(オーダーメイド)枠があります。
 オーダーメイドの生産システム等の構築を支援する枠であり、補助金額は最大8,000万円という大規模の補助金です。2025年(令和7年)の補助金においても、この枠は継続される見込みとなっています。(ものづくり補助金ではなく、省力化補助金に組み込まれる可能性もあり)

 そこで、今回は「ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠」について、過去の公募要領(補助金のルールブック)を踏まえて解説していきます。

省力化(オーダーメイド)枠の概要

 省力化(オーダーメイド)枠は「手不足の解消」に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援する制度です。

 通常のものづくり補助金では、導入する設備やシステム、ソフトウェアは、「既製品」「オーダーメイド品」のいずれも補助対象になります。しかしながら、省力化(オーダーメイド)枠は既製品はNGであり、オーダーメイド品に限定されている点が大きく異なります。また、この枠には次のような要件が設定されています。

要件① 労働生産性の向上

 3~5年の事業計画期間内に補助事業において設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となる事業計画を策定すること。

要件② 早期の投資回収

 3~5年の事業計画期間内に投資回収可能な事業計画を策定すること。

要件③ 外部SIerの長期活用

 外部SIerを活用する場合、3~5年の事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を中小企業等とSIer間で締結し、SIerは必要な体制を整備すること。

 それでは次に、補助上限額と補助率を見ていきましょう。

補助上限額と補助率

 補助金を活用した設備投資の際に、意思決定の大きなポイントとなるのが「補助上限額」と「補助率」です。補助上限額が低ければ、大きな設備投資の場合に投資額全体に対する補助金の割合が相対的に小さくなりますし、補助率が低ければこちらも投資に対する補助金のインパクトは小さくなってしまいます。

 省力化(オーダーメイド)枠においても他の枠と同様に、応募する企業の従業員数によって、補助金額と補助率が変わる仕組みとなっています。その幅は、補助金額だと750万円~8,000万円、補助率は1/2~2/3です。具体的には次のように設定されています。

 なお、()内の数字は通常よりも大きくなっていますが、こちらは「大幅賃上げ」を実施する場合の特例です。通常の要件を超える大きな賃上げを行う企業の特典であり、これを活用すると補助金額は最大1億円までアップします。

 では、具体的にどのような取り組みが考えられるでしょうか?具体的な例を見て行きましょう。

具体的な取り組みのイメージ

 省力化(オーダーメイド)枠の活用イメージを掴むために、事例を紹介します。

活用事例① 製造業×多関節ロボット×人手不足・組み立て動作ロスの解消

 従来は海外の工場で職人が手作業で対応していた組立工程を国内に集約するために、AIや3Dカメラ、センサー等を活用した多関節ロボットを導入する。
 これにより、組立に必要な全ての部品を供給するシステムを構築することで、切替えロス無しで、流れてきた部品に依った、製品の「1個流し生産」の実現を可能とした。
 その結果、5年の事業計画期間内に補助事業において設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となる事業計画を策定すること。

活用事例② 食品製造業×多関節ロボット×人手不足・手作業の負担軽減

 ハンドラベラーを用いて、手作業による冷凍商品のラベル貼付えを行っていたが、納品時間の関係で作業が深夜に渡ること、多人数での分散作業であることから、商品の管理ミスや不良品が頻発するという課題を抱えていた。
 ここにロボットを導入することで、箱単位でのラベルの自動貼付けや、箱の供給・排出が完全に自動化され、作業工数の削減と作業のライン化を実現した。

活用事例③ 物流サービス業×自動荷役・積替ロボット×高齢化・人手不足対応

 取扱う商品が多種多様であるため、在庫や入出荷のタイミングが不規則な物流の集荷業務において、商品の保管規模に応じて弾力的に荷役作業を自動化できる単機能小型ロボットユニットを導入した。
 これにより、当日の出荷指示データをもとに決められた全カートの積載パターンに沿って、AGVがパレット/カートを運搬、ロボットが商品をつかみ、トラックバースへ運搬するまでを全自動化したことで生産性が大きく向上した。

 これらの事例は豊富に考えられる取り組みの事例のうち、ほんの僅かの事例です。生産性向上のための自動化を実現する取り組みは無限に考えられます。

 生産性の高さは収益性の高さに直結し、企業の経営力を高めます。まずは現在の生産フローや業務工程を分析し、設備投資によって生産性を高められる工程を割り出すことがおすすめです。そして要件に該当するようでしたら、ものづくり補助金 省力化(オーダーメイド)枠を活用し、生産性を大きく高めていきましょう!

まとめ

 いかがでしたか?ものづくり補助金は魅力的な制度ですが、その中でも省力化(オーダーメイド)枠は特に補助金額が大きい制度です。特に要件が複雑であるため、制度を熟知したコンサルタントと早めに連携を始めることで、対策をしていきましょう

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