ものづくり補助金の補助率は?実質補助率は?【2025年(令和7年)】
新商品や新サービスを開発するための設備投資を応援する「ものづくり補助金」。中小企業庁が実施する人気の補助金であり、10年を超えて措置されています。名称からは”製造業”の補助金に見えますが、製造業だけでなくソフトウェア業、建設業、サービス業、小売業、卸売業、農業や林業など多様な業種で活用されています。
2025年(令和7年)も、ものづくり補助金は実施されることが決まっていますが、ここで気になる点の一つが「補助率」です。投資に対して何%を補助してもらえるのか?これにより、新商品・サービス開発の損益分岐点が大きく変わってきます。
そこで、今回はものづくり補助金の「補助率」について解説していきます。
補助率とは?
補助金で重要となる”補助率”ですが、これは「補助対象経費に対して補助金が占める割合の上限」を表します。補助率が高いということは、「自己負担が少ない」ことを意味するため、事業者にとっては、補助率が高いにこしたことはありません。
具体的には、次のような算式になります。
投資額が1,000万円の場合の補助金額・自己負担金額
・補助率1/3……10,000,000円×1/3=3,333,333円(自己負担 6,666,667円)
・補助率1/2……10,000,000円×1/2=5,000,000円(自己負担 5,000,000円)
・補助率2/3……10,000,000円×2/3=6,666,666円(自己負担 3,333,334円)
このように、補助率の大きさで補助金額は大きく変わってきます。また、併せて注目したいのが”補助上限金額“です。
補助金額の上限で実質的な補助率が変わる
補助金額の上限によっては、実質的な補助率が下がる現象が発生します。せっかく補助率が高いのに補助金額が減るのは残念ですよね。それでは、2025年(令和7年)のもづくり補助金の補助率と補助上限額を元に、試算していきましょう。
2025年(令和7年)の補助率・補助上限額は次のとおりです。
従業員によって補助上限額と補助率が異なっていますね。従業員が5人以下であれば、補助上限額は750万円、それから段階ごとに増加していき、51人以上では2,500万円まで増加します。
補助率は、中小企業が1/2、小規模企業者と再生事業者は2/3となっています。中小企業と小規模事業者の定義は次のとおりです。この基準は、中小企業基本法で定められています。
中小企業の定義は業種ごとに資本金・出資金の上限、従業員数の上限が設定されており、これらの「どちらかが基準内に収まっていると中小企業」と判定され、補助率は1/2です。逆に、資本金・従業員数の両方が基準を超えていると、中小企業ではなくなります。
小規模企業者は小売業・卸売業・サービス業は従業員5人以内、それ以外の業種は従業員20人以内の事業者が該当し、補助率は2/3となります。
これらを踏まえて、いくつかのシミュレーションを確認していきましょう。
効率の良い投資規模
【前提条件】
中小企業:従業員20人、補助上限額10,000,000円、補助率1/2
・20,000,000円×1/2=10,000,000円(自己負担 10,000,000円)
⇒実質的な補助率=1/2(50%)
ケース②:投資額30,000,000円
・30,000,000円×1/2=10,000,000円(自己負担 20,000,000円)
※補助上限額10,000,000円のため
⇒実質的な補助率=1/3(33.3%)
ケース③:投資額40,000,000円
・40,000,000円×1/2=10,000,000円(自己負担 30,000,000円)
※補助上限額10,000,000円のため
⇒実質的な補助率=1/4(25.0%)
ケース①は補助率1/2で実質的な補助率も1/2ですが、ケース②③では、投資規模が大きく実質的な補助率は1/2を大きく下回ってしまいました。
このように、補助率は1/2の場合でも補助金は補助上限額を超えられないため、投資規模が大きい場合には、実質的な補助率が低下することになります。
そのため、効率よく補助金を活用しようとすると、「補助上限額÷補助率=投資金額」で算出される金額が、最も効率よく大きな補助が得られる投資規模と判断できるのです。
もちろん、この金額や補助金上の投資効率は重要ですが、ここに引っ張られ過ぎると、事業の成功のために本当に必要な設備投資から乖離してしまうので、注意しましょう!!
まとめ
いかがでしたか?ものづくり補助金は魅力的な制度ですが、補助率・補助上限額にも注意しなければ、せっかくの補助金の効果が薄まってしまうことになります。
このような観点も踏まえて事業計画を検討すると、ものづくり補助金はより使いやすい制度になります。補助金を熟知したコンサルタントと早めに連携することで、採択を勝ち取っていきましょう!
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中小企業診断士。1983年 広島県福山市生まれ。2009年から中小企業団体中央会に入職して中小企業支援の道に入り、ものづくり補助金の事務局も経験。2023年に補助金支援とや経営改善を行う”つなぐサポート合同会社”の代表に就任。補助金採択は100件・10億円・採択率80%を越える。事務局経験を活かした事業計画策定・手続きの一貫サポートが強み。趣味はランニング。