【新設】中小企業成長加速化補助金の採択率は?【2025年/令和7年】

 中堅企業の創出を目的に新設される「中小企業成長加速化補助金」。売上100億円を目指す企業の設備投資を応援する制度です。

 新しい補助金で特に重要なポイントとなるのが「採択率」です。どんなに魅力的な補助金であっても、採択されて補助金を得られなければ、事業者様にメリットはありません。そして近年の経産省の補助金の採択率は低下傾向にあります。

 そこで、今回は中小企業成長加速化補助金の「採択率」を詳しく解説します。

成長加速化補助金の採択率

 まず結論ですが、成長加速化補助金の採択率は20%前後と想定されます。昨今の中小企業庁の補助金は採択率の低下が顕著であり、成長加速化補助金も採択率は低くなるでしょう。
 ここからは、採択率が低くなる理由について解説していきます。

成長加速化補助金の概要

 最初に、成長加速化補助金の概要を確認しておきましょう。この補助金は、売上100億円を目指す成長志向型の中小企業の設備投資(建物新築・増改築、機械装置・ソフトウェア)を支援することにより、その成長を促進することを目的としています。

 補助率は半分、つまり1/2以内で固定となっています。ものづくり補助金や新事業進出補助金のように従業員数で2/3や1/3などに変化することはありません。

 また、補助上限額は5億円となっています。つまり、10億円の設備投資であれば補助金額は上限の5億円となり、5億円の投資であれば2.5億円の補助金となります。最低投資金額は1億円に設定されているため、最小でも補助金額は5,000万円以上で申請することになります。

 なお、補助事業実施期間は交付決定日から24か月以内となっています。他の補助金では10か月や12か月などが多いですが、この補助金では長めの期間が設けられています。大型の建物や機械装置が補助対象になることが想定されますが、これだけの期間があれば安心です。

 公募スケジュールは、2025年3月に公募要領が公開される予定となっており、2026年(令和8年)度末までの間に合計で3回程度の公募を実施する見込みです。

 制度の概要は上述のとおりですが、実際の採択率はどのように決まるのでしょうか?

成長加速化補助金の採択件数

 成長加速化補助金の採択予定件数は、事務局公募の資料に記載されています。その件数は600件です。同じく中小企業庁の補助金である「事業再構築補助金 12回公募」の採択件数は2,031件、「ものづくり補助金 18次公募」の採択件数は2,070件となりました。

■事業再構築補助金(12回)

■ものづくり補助金(18次)

 1回での採択件数が2,000件を超えていますが、成長加速化補助金では3回の合計で600件の見込みです。つまり、1回の公募での採択件数は単純計算で200件であり、事業再構築補助金・ものづくり補助金の10分の1の数となります。また、1都道府県での採択件数は5社弱となる可能性が高いです。

 かなり少ない件数ですが、補助金額が5,000万円~5億円と大きいため、平均1.5億円と想定しても600件だと900億円という巨額になります。これに事務局経費を加算すると約1,000億円に達する計算です。成長加速化補助金が含まれる「生産性革命推進事業」の総予算は3,400億円であるため、このあたりが採択件数としては妥当といえるでしょう。

 それでは、採択率がどのレベルに収束するでしょうか?

予想される採択率

 このように、成長加速化補助金では「公募回数は3回程度」「採択件数は600件」が予定されています。これらの情報をもとに、採択率を予想するためには、「応募件数」が重要となってきます。

 2025年の税制改正資料には、売上100億円を目指す企業の特別税制が記載されており、その中では次のような要件が載っています。

特別税制の条件
⚫ 投資利益率が年平均7%以上
⚫ 売上高100億円超を目指すロードマップの作成
⚫ 売上高成長率年平均10%以上を目指す
⚫ 前年度売上高10億円超90億円未満
⚫ 最低投資額1億円 OR 前年度売上高5%以上
⚫ 賃上げ率2.5% OR 5.0%以上

 成長加速化補助金に申請するためには、「100億円を目指す宣言」が必須要件です。この内容が税制の条件と同様である場合、成長加速化補助金は売上10億円超90億円未満であることが要件になる可能性があります。

 この売上範囲の企業数は正式なデータが存在しませんが、AIによるフェルミ推定を行った結果、大企業の子会社を除くと5万社程度との予測がでました。この5万社のうち5%の企業が成長加速化補助金に応募した場合には、全国で2,500件と算出なります。

 採択件数は600件ですので、「600÷2,500=24%」という計算となり、少し辛めに見ると概ね20%の採択率と想定されます。100億円宣言を担う事務局の公募資料でも、予想件数は2,000~3,000件と記載されているため、大きくは異ならないでしょう。

高難関補助金の激戦を勝ち抜くために

 採択率が20%前後となるようなハードルの高い補助金に挑戦し、採択を勝ち取るためには、十分な戦略を立てることが欠かせません。中でも、最も単純かつ効果的な方法が、「第1回公募に申請する」ことです。

 新設されたばかりの補助金は、往々にして知名度が低くなります。また、申請者や支援者が不慣れであることもあり、第1回公募では2回公募以降よりも採択率が高くなる可能性が高いです。

 もちろん、その中でも数ある申請の中から選ばれる良い事業計画書を作成することが欠かせません。補助金獲得ノウハウが少ない状況だと、それだけで戦いは不利になりますので、十分に計画を練る時間を確保するためにも、「早めに補助金のプロと連携する」ことが採択への近道です。

まとめ

 いかがでしたか?成長加速化補助金は新設される補助金であるため、採択率の予想がしにくいですが、各種の情報を統合すると、概ね20%の採択率が想定されます。

 補助金採択の実績とノウハウと豊富に持つコンサルタントと、早期に準備を始めることで、高い競争率をくぐり抜けて採択を獲得しましょう。

 広島県福山市に本社を置く弊社では、成長加速化補助金をはじめとした多様な補助金の申請サポート(行政書士の連携による申請代行も対応)を展開し、オンラインでの全国対応も行っています。豊富な知識・経験・実績を有する中小企業診断士が採択の実現を強力にサポートいたしますので、お気軽にご相談ください!

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