【製造業向け】2026年 設備投資におすすめの補助金【中小企業庁・経済産業省】

 「ものづくり大国」の日本において、製造業は国が最も力を入れている産業です。国内雇用の創出はもちろん、海外取引によって外貨の獲得にもつながる製造業は、日本という国を運営するにあたって最重要なポジションとなっています。

 このように、重要な役割を担う製造業は、国も補助金などを中心に支援を加速させています。現在は工作機械を筆頭に多くの機械の価格が高騰しており、数年前と性能が変わらない機械を購入しようと思うと、当時の1.5倍から2倍ほどの価格になっていることも珍しくありません。補助金なしでの設備投資へのハードルは、日に日に高くなっているのが現状です。

 補助金を活用できれば、設備投資に要する自己負担額を大幅に削減できます。例えば補助金が1,000万円あれば、経常利益率が10%だった場合には、1億円の売上に相当するインパクトがあります。これに加えて、先端設備等導入計画や経営力向上計画といった設備投資税制を活用できれば、自己負担額をさらに抑えることが可能です。

 そこで、今回は製造業が活用できるオススメの補助金について解説していきます

製造業が活用できる補助金の概要

 まずは、2026年に製造業が活用できる補助金のメニューと概要を解説していきます。

①省力化補助金(一般型)※国の補助金

 生産工程・設計工程・検査工程・梱包工程や生産管理など、多様な業務を省力化するための設備投資を支援するための補助金です。
 省力化とは、人手を要する作業時間を減らすことを意味しており、これは現場だけでなく基幹システムの刷新などでバックオフィス業務を省力化することも含まれます。
 とても使い勝手が良く、採択率も高めであるためオススメの補助金です。

②新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 ※国の補助金

 従来の「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合されて1つの制度になった補助金です。2026年6月に正式スタートとなりました。
 新製品・新サービスの開発を行うための設備投資を支援することを目的とする補助金です。従来のものづくり補助金が「革新的新製品・サービス枠」へと姿を変え、従来の新事業進出補助金が「新事業進出枠」となり、従来のものづくり補助金 グローバル型が「グローバル枠」へと変わりました。
 新たなチャレンジのための設備投資をお考えの場合には、ぜひ活用いただきたい補助金です。

グリーンな企業賃上げ環境整備支援事業補助金 ※広島県福山市の補助金

 広島県福山市内の事業所への設備投資に限定される補助金です。従業員が働きやすくなるための設備投資、生産性を高める設備投資、環境負荷の低減につながる設備投資などが補助対象です。
 非常に活用しやすく、2026年1月以降に見積を取得して発注した設備やソフトウェア等であれば、遡って補助対象とすることも可能です

④中小・小規模事業者等の計画的経営改善応援補助事業 ※広島県の補助金

 2026年4月に創設された広島県の制度です。広島県内の事業所への設備投資や広告宣伝などが補助対象となります。とても使いやすい補助金ホームページ制作などにも活用できるため、国の小規模事業者持続化補助金のような活用方法が可能です。
 それでは、各補助金の詳細を解説していきます。

①省力化補助金(一般型)※国の補助金

 「複数種類の設備の導入」「セミオーダー設備の導入」「オーダーメイド設備の導入」のいずれかによって、省力化(人手による作業減らす)を実現することで、生産性を高める取り組みを支援する制度です。
 製造業ですと手作業での加工対象物の脱着手作業での加工目視での検査など人が介在する作業が多い傾向にあります。また、生産管理がアナログで多くの時間を要しているケースも多いです。
 このように、生産効率が低くなる原因を生み出している作業工程を省力化設備の導入によって刷新し、これによって創出した時間を高付加価値業務にあてることで、企業全体の生産性を高めることが省力化補助金(一般型)の目的となっています。

 補助率は基本的には1/2で、小規模事業者は2/3です。小規模事業者とは、商業・サービス業は従業員5人以内、製造業やその他の業種では20人以内の企業が該当します。
 補助金額は従業員数が増えるにつれて、大きくなっていきます。例えば、従業員15人の製造業の場合は、補助上限額が1,500万円で補助率は小規模事業者なので2/3となり、1,500万円の設備投資をした場合には、「1,500万円×2/3=1,000万円」となります。また、この企業が3,000万円の設備投資をした場合、補助率は2/3でも補助上限額は1,500万円ですので、補助金額は1,500万円になります。

 近年の補助金の多くは、補助対象として導入する設備によって「新製品・新サービスを開発する」といった新規性が補助対象の要件となっています。しかしながら、省力化補助金(一般型)では、そのような制限はなく、成果物は今と変わらなくても、「人手による作業時間が減る」ことで対象となりますので、非常にリスクが少なく使い勝手の良い補助金と言えるでしょう。
 ちなみに、同じ省力化補助金ですが、「カタログ注文型」というコースもあります。こちらは、あらかじめ国のカタログに登録された設備のみが対象になる別制度ですのでご注意ください。

 なお、省力化補助金(一般型)の主な補助対象経費は、機械装置やソフトウェアの導入、システム構築となっています。

 

②新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 ※国の補助金

 13年ほど続いた「ものづくり補助金」と創設2年目の「新事業進出補助金」が統合されて2026年6月にできた補助金制度です。補助金の名称自体も、両者を足したようなものになっています。
 新製品・新サービスの開発を行うための設備投資を支援することを目的とする補助金です。従来のものづくり補助金が「革新的新製品・サービス枠」へと姿を変え、従来の新事業進出補助金が「新事業進出枠」となり、従来のものづくり補助金 グローバル型が「グローバル枠」へと変わりました。
 革新的新製品・サービス枠は、その名のとおり「革新的新製品・サービス」の開発が要件であり、新製品・サービスが自社にとっての既存市場か新市場かは関係ありません。その一方、新事業進出枠では、自社にとっての新市場向けの「革新的新製品・サービス」に取り組むことが要件となっています。また、グローバル枠は、海外向け製品・サービスの強化が目的となっています。

 補助率及び補助上限額は次のとおりとなっています。相対的には、以前のものづくり補助金に相当する「革新的新製品・サービス枠」のみ補助金額が小さめで(とはいっても従来のものづくり補助金と同額です)、「新事業進出枠」「グローバル枠」は大きめとなっています。

 特に、新事業進出補助金は従業員1人でも補助上限額は2,500万円であり、かなり大きな投資に活用することが可能です。その一方、補助下限額は750万円と高くなっており、これは税抜きの投資金額が最低でも1,500万円は必要であることを示していますので注意しましょう。

 主な補助対象は機械装置・ソフトウェア・システム構築費・広告宣伝費ですが、「新事業進出枠」「グローバル枠」については、建物費も補助対象に加わります。
 工場や店舗の新築や増改築などを補助対象にできますが、当補助金で建てた建物・増改築したフロアは、補助事業で目的とした内容にしか使うことができませんので、要注意です。法定耐用年数が経過する前の段階で違う用途に使用したり、売却したりする場合には、事前の手続きと補助金の一定額の返還が必要になります。

 「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の詳細については、こちらのページをご覧ください。

 

③グリーンな企業賃上げ環境整備支援事業補助金 ※広島県福山市の補助金

 中小企業の賃上げに向けた環境整備を支援するための補助金です。補助金の名称にもある「グリーン」な取組とは、環境に配慮した取組、女性・障がい者・高齢者等の雇用、働きやすい職場環境の整備などを指しています。例えば、次のような取り組みが補助対象になります。

【事業例】
<環境配慮>
・高効率設備を導入し、消費電力量を削減する。
・AI在庫管理システムを導入し、廃棄ロスを削減する。
・経理業務の電子化ソフトを導入し、紙使用量を削減する。
<女性・高齢者・障がい者等の雇用>
・テールゲートリフターを導入し、女性の従事可能な業務を拡大する。
・多言語対応システムを導入し、外国人材との意思疎通を円滑化する。
・電動高さ調整作業台を導入し、障がい者の従事可能な業務を拡大する。
<働きやすい職場環境の整備>
・中古のフォークリフトを導入し、運搬を効率化する。
・製氷機を導入し、現場作業者に氷を提供して熱中症を予防する。
・高効率な加工機械や溶接機を導入し、作業速度を高める。
・自動精算機を導入し、作業時間を短縮する。
・AIを活用した自動見積システムを構築して、省力化する。
・クラウド業務管理システムを導入し、リモートワークを可能とする。
・ファン付き作業服を導入し、熱中症リスクを軽減する。

 補助率は2/3と高く、補助金額は上限80万円とある程度の金額となっています。しかも、活用しやすい大きなポイントが2つもあります。
 1点目は、既に購入済みのものも遡って補助対象になる点です。通常の補助金では、採択や交付決定後でなければ発注できませんが、この補助金は2026年に入ってから見積を取得して既に購入したものも補助対象になります。とてもありがたい措置ですね。
 2点目は、中古品の購入も補助対象にできる点です。補助金制度の多くは「中古品は補助対象外」と規定されていますが、この補助金は中古品もOKとなっています。中古の加工機械の購入やフォークリフトのような運搬設備の導入にも活用できるので幅広い業種で補助対象にできますね。

 また、賃上げ要件はあるものの、国の補助金のように都道府県ごとの地域別最低賃金+30円などよりもハードルが低く、自社の最低時給を+5円すれば要件を満たします。とても使いやすい補助金ですが、予算がなくなり次第終了ですので早めの応募が必要です。

 

④中小・小規模事業者等の計画的経営改善応援補助事業 ※広島県の補助金

 今年に創設された広島県の補助制度です。経営改善に計画的に取り組む事業を支援するもので、主に生産性が向上するような機械装置・ソフトウェアの購入やシステム構築、広告宣伝などに対して補助金が交付されます。このご時世ですので賃上げも事業計画に含める必要がありますが、国や福山市の補助金のように「必達要件」にはなっていないソフトな運用です。

 応募類型は「通常枠」「デジタル枠」の2つとなっており、通常枠は補助上限が50万円、デジタル枠は150万円となっています。県が所管している「経営革新計画」の認定を得ていると、補助金額が拡大され、通常枠は250万円、デジタル枠は500万円が上限となります。

 補助率は基本的に2/3ですが、小規模事業者は3/4となります。小規模事業者とは、主に商業・サービス業では従業員5人以内、その他の業種では20人以内だと該当します。補助率3/4というのは数ある補助金の中でも極めて高いので、手厚い補助金といえるでしょう。

 ただし、締切が8月末であり、予算が早期に消化された場合にはこれよりも早く受付が終了してしまうため、万全を期すならば早めの応募申請が必要です。

まとめ

 いかがでしたか?国・自治体ともに「製造業」が活用しやすい補助制度は豊富に存在しています。機械装置や資材、工事や人件費などが高騰していますが、補助金を上手く活用することで負担を小さくし、賃上げや設備投資の原資を獲得していきましょう!

 広島県福山市で本社を置く弊社では、各種補助金の申請サポート(行政書士との連携による申請代行含む)を展開し、オンラインでも全国対応しております。 
 この度ご紹介した各制度に精通し、経験・実績ともに豊富な中小企業診断士が事業者様の応募準備から補助金の交付までを強力にサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください!

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