【統合】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?【変更点あり】

 2026年6月29日に注目の補助金のホームページが開設されました。従来の中小企業庁の代表的な補助金制度である「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合されて創設された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。

 統合は以前から発表されていましたが、ものづくり補助金・新事業進出補助金それぞれの最終公募が締め切られたタイミングで、満を持しての動きとなりました。

 ロゴのデザインは若干前時代的で、ものづくり補助金のイメージカラーである青色、新事業進出補助金のピンク色を組み合わせています。この辺りにそれぞれの補助金の歴史を尊重する姿勢が垣間見られますね。(長く携わってきた私が勝手にそう感じるだけかもしれませんが!)

 さて、前置きはこの辺りにしまして、今回は新たに誕生した新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の「成り立ち」「制度概要」について幅広く解説していきます。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の成り立ち

 冒頭で述べたとおり、この補助金は「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合した制度です。既に最終公募は終了していますが、いずれも設備投資を支援する内容となっていました。

 まず、新事業進出補助金ですが、「自社にとっての新分野向けの製品・サービスを開発し、自社にとっての新市場に投入する取り組み」を支援する制度でした。かつてのコロナ禍でかつてない予算規模で執行された「事業再構築補助金」の後継として2025年に創設された制度です。

 次に、ものづくり補助金ですが、こちらは「新製品・サービスの開発と生産性の向上」を支援する制度として2013年に創設されました。途中からは提供する製品・サービスに新規性がなく「生産性は上がるが成果物は今と変わらない」というケースが補助対象から外され、あくまでも新製品・新サービスの開発を支援する内容に変わりました。(正確にはグローバル型を除きますが)

 両補助金の共通点は、「新製品・サービスを開発すること」「応募件数が少ないこと」です。ものづくり補助金は、新製品・サービスを開発するという要件のハードルが高く、一方で省力化補助金(一般型)という既存事業の生産性を高めるための設備投資に活用できる補助金の使い勝手の良さから、相対的に人気が低下。応募件数は最盛期の半分以下に激減しています。

 新事業進出補助金も、要件の厳しさから応募件数が非常に低調(第3回の応募件数は1,212者で第2回の2,350者から半減)となっています。

 近年では補助金や基金に対する風当たりが強く、事務局サイドも効率的な補助金制度の運用が求められています。両補助金を統合することは費用面での合理化につながりますので、応募件数の低下を鑑みると仕方のない流れといえるでしょう。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の制度概要

 当補助金の補助対象経費については、従来の「新事業進出補助金」「ものづくり補助金」の要件を概ねそのまま持ってきた制度内容となっています。

 補助金額は「革新的新製品・サービス枠」で従来のものづくり補助金と同様に下表の金額で、補助率は基本的には1/2ですが、小規模事業者(製造業の場合、従業員20人以内で)あれば2/3に引き上げられます。  

 その一方で「新事業進出補助枠」の補助率は基本的に1/2ですが、従業員数が少なくても最大で2,500万円という大きな補助金を得られる可能性があります。

 なお補助対象となる経費は、革新的新製品・サービス枠が「機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費と」なっています。対して、新事業進出補助枠ではこれらに加えて建物費」が対象となる点が大きな特長です。例えば工場の建築や建物の増改築・改装なども補助対象になります。建物費が補助対象となる補助金は非常に珍しいので、これは大きなポイントといえるでしょう。

 ちなみに、該当するケースは非常に稀ですが、海外展開を支援する「グローバル枠」というものも存在します。こちらは新事業進出枠と同様に補助上限額が大きく、しかも補助率が2/3と高いため、該当する場合は非常に魅力的な補助金といえるでしょう。なお、このグローバル枠では、この度の統合を機に「建物費」が補助対象となっていることも大きな特長です。海外に販売する製品を製造する工場の新設などに活用できます。

まとめ

 いかがでしたか?「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は従来の「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合した制度です。細かい変更点はありますが、補助上限額や補助率などは従来のそれぞれの制度を踏襲しており、その役割や支援内容な概ね同一となっています。
 そのため、従来どおり「新事業進出補助金」「ものづくり補助金」が続いているという認識で差し支えありませんが、補助金制度には思わぬ落とし穴も多いので、詳細はしっかり確認してから動き出しましょう。

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