ECRSの原則とは?~生産性向上の鉄則【広島県福山市の中小企業診断士、児山が解説】

こんにちは。広島県福山市の中小企業診断士、児山です。今回は生産性向上に有効なECRSの原則について解説します。これは生産性向上の鉄則であり、無駄を削減し、業務の効率を上げるための重要な考え方です。

  1. ECRSの定義とその重要性

ECRSとは、”Eliminate(削除)”、”Combine(統合)”、”Rearrange(配置換え)”、”Simplify(簡素化)”の4つのアクションから成り立つ原則です。それぞれのアクションは、ワークフローの無駄を削減し、生産性を向上させることを目指しています。ECRSは、生産性を向上させるための具体的なアクションを示すため、特に生産現場において有効です。また、これらの原則は互いに補完し合うものであり、一方だけを行うのではなく、全てをバランスよく適用することで、最大の効果が期待できます。

  1. ECRSの具体的な内容とその適用例

それぞれのアクションについて詳しく見ていきましょう。

  • Eliminate(削除): 業務プロセスにおける不必要なタスクを見つけ、それを削除します。これにより、時間とリソースの節約が期待できます。具体的な例としては、冗長な報告やミーティング、重複する作業などがあります。これらは生産性を下げる原因となり得るため、削除することで生産性向上に繋がります。

  • Combine(統合): 関連するタスクを一つにまとめます。これにより、作業の流れがスムーズになり、作業時間が短縮される可能性があります。例えば、同じデータを用いて複数のレポートを作成する場合、これを一つのレポートに統合するといった方法があります。また、製造工程であれば、関連する部分の組み立てを同一人物または同一チームが行うなどの工夫も可能です。

  • Rearrange(配置換え): ワークフローや工場のレイアウトを最適化します。これにより、移動時間や待機時間を削減し、全体的な作業時間を短縮できます。具体的には、頻繁に使用する機械や道具を作業者の近くに配置する、製品の流れに沿って機械を配置するなどの対策が挙げられます。

  • Simplify(簡素化): タスクをよりシンプルにします。これにより、作業の難易度が下がり、ミスの発生を抑制することができます。また、研修時間の短縮やスキルの要求度を下げることも可能となります。具体的には、操作手順の見直しや、自動化・機械化による作業の簡素化が考えられます。

  1. ECRSを活用した生産性向上の事例

広島県福山市にあるある製造業の企業では、ECRSの原則を活用して大幅な生産性向上を実現しました。具体的には以下のような取り組みを行いました。

  • “Eliminate”の原則を用いて、生産工程内の不必要な移動や待機を削減。これにより作業時間が短縮され、生産効率が向上しました。

  • “Combine”の原則を用いて、同じ製品を製造する複数の部門の作業を統合。これにより、全体の作業フローがスムーズになり、製品の生産時間が短縮されました。

  • “Rearrange”の原則を用いて、作業フローを再設計。これにより、製品の生産時間が大幅に短縮され、生産能力が飛躍的に向上しました。

  • “Simplify”の原則を用いて、各部門の作業手順を見直し、作業の簡素化を図りました。これにより、研修時間の短縮やミスの発生抑制に成功しました。

この企業では、補助金を活用して設備投資を行うことが可能となり、生産性向上に繋がりました。生産性の向上は、中小企業にとってビジネス成長の大きな要素です。

  1. ECRSを実践する際のポイント

ECRSの原則を実践する上で大切なのは、全体的な視点を持つことです。すなわち、業務の一部を改善するだけでなく、全体のワークフローや組織の構造を見直すことが重要です。また、ECRSは一時的な改善策ではなく、継続的な改善のための取り組みと考えるべきです。

また、改善のためのアイデアは、作業現場のスタッフから得ることができます。彼らは日々の業務を通じて、無駄な作業や改善の余地を具体的に把握しています。そのため、彼らの意見を取り入れ、ECRSの原則を適用することで、より効果的な生産性向上を達成することが可能です。

以上、ECRSの原則について解説しました。広島県福山市の中小企業診断士として、皆様の経営改善に対するお手伝いをさせていただきます。是非、設備投資の際の補助金活用など、資金計画のご相談などお気軽にご連絡ください。

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