補助金の利用における留意事項~事業再構築補助金とものづくり補助金の取り組み~

補助金という制度は、設備投資や広告宣伝などの費用を援助してくれる優れた手段です。特に、事業再構築補助金やものづくり補助金は注目を集めています。これらは新規の取り組みに必要な設備投資などの1/2~3/4を補助する便利な制度です。事業が順調に進行すれば、補助金が授与されます。

しかし、補助金の活用にはいくつかの警戒点が存在します。これを理解しないまま補助金に取り組むと、結果的に深刻な問題を引き起こす可能性があります。そこで、今回は事業再構築補助金とものづくり補助金の利用時に心がけるべき事項について説明していきます。

○選定された=補助金を受け取れるという思考は誤り 補助金の選定結果が発表され、自社が選ばれた際の喜びは大きいです。何しろ、その金額は数百万円~数千万円にものぼります。売上げを考えると、補助金の額の5倍~10倍となるケースも少なくありません。 しかし、「補助金が選定された=補助金が交付される保証」ではないことを理解することが大切です。補助金が選定されるということは、「他の応募者に比べて事業計画が優れている」と認識され、補助金を受け取る可能性があるという意味に過ぎません。

例えば、ものづくり補助金が選定されたが、設備投資が建物の改善や機械装置ではないものを機械装置として計上している場合、また、事業再構築補助金で既存の不動産の購入費を補助対象としている場合などは、選定はされても、次のステップである交付申請でつまづく可能性があります。

交付申請とは、選定を受けた事業計画や補助対象の適性を審査する工程です。このステップで、「この費用は補助対象ではない」と補助金事務局に判断されれば、その費用は補助金の計算から外されます。最悪の場合、補助対象となるものが何もなくなり、選定された補助金を辞退せざるを得ない状況も想定されます。

これらの問題を避けるためには、補助金に詳しい専門家に「○○○は補助対象になるか?」という質問をすることが非常に重要です。 次に、交付申請をクリアし、交付が決定した後の注意点を説明します。

○設備導入は必ず補助事業期間内に行う必要がある 補助金の交付が決定したとしても、まだ補助金が確定したわけではありません。補助金を受け取るためには、設定された補助金の期間内に事業を完了し、成果報告を行う必要があります。

この「事業の完了」とは何を指すのでしょうか?それは、「設備の納入」「支払い」「設備を使用した効果の検証」の3つを達成することを意味します。特に、設備の納入のタイミングが遅れないことが重要です。

設備を補助事業期間内に導入できなければ、補助金を辞退せざるを得ません。近年、半導体の不足による機械部品の供給遅延や、コロナ禍の影響による納期遅延が見受けられます。納品日が記載されていない見積もりさえあります。

補助金が交付されないと、設備投資などの費用は全て自己負担となります。これにより、企業の予算計画に大きなずれが生じます。

このような状況を避けるためには、注文時に供給者に対して、「補助金を利用しての設備投資であること」「納期の厳守が必要であること」を強調することが重要です。 最後に、資金調達についての注意点を説明します。

○余裕のある資金調達が求められます これまでに説明した通り、補助金は交付されないか、減額される可能性があります。しかし、これらの問題は、申請時に費用の詳細をしっかりと確認することで、大部分を回避することができます。

しかし、もう一つ注意すべき点があります。それは、補助金の交付が遅れる可能性です。これは、ある意味で予防できないリスクでもあります。事業の完了後に成果報告を行っても、事務局側でその確認に時間がかかることがあります。その後に修正要求があった場合、その対応と事務局からの返答にまた時間がかかることが多いのです。

事業再構築補助金では、成果報告から補助金の交付まで半年かかった企業も珍しくありません。そのため、銀行などからブリッジローンを受ける場合、余裕を持った返済スケジュールを設定することが重要です。

○まとめ 以上の説明はいかがでしたでしょうか?補助金の選定は事業計画の良さが認められただけで、補助金が確定したわけではなく、設備の納期遅れは補助金を失うリスクをもたらします。また、資金調達についても注意が必要で、後で困らないようにしっかりと計画することが必要です。

これらの問題を回避するためには、「信頼できるコンサルタントとの協力」が最も効果的です。当社には、豊富な経験を持つ信頼性の高い中小企業診断士などのコンサルタントが多数在籍しており、補助金の選定から事業の成功までを強力にサポートします。

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